インターネットの普及がもたらす日本経済への限りない効果が毎日のように取りざたされ, その一方で, 環境問題に関する情報も同様に溢れ返り, 全ての企業にとって無視できない領域となってきた。しかしながら, その二つの大きな流れを結びつけた話題を耳にすることはほとんど無かった。これまで積極的に公開される事のなかった廃棄物に関する情報を公開することは, 廃棄物の再生利用を促進することになり, その情報を公開する手段としてインターネットが最適なのではないか, さらに, インターネットを活用した廃棄物再生利用促進のためのeマーケットプレイスの運営そのものが社会的ニーズとなり, かつひとつのビジネスとして成り立ちうるのではないだろうか。本研究はこのような問題認識の下でスタートした。本研究を開始してからの2年間は, 環境問題にとってもインターネットにとっても, 予測を超えた大きな変革の時期であった。先行研究は皆無に近く, 2年前のデータは急速に陳腐化し, 次々と創設・改正される廃棄物関連法と日進月歩で進化を遂げるIT環境を背景として, 研究対象とすべきサイトが数多く立ち上がってきた。そのような急激な変化を認識しながら同時並行的に研究を進めてきた。本研究ではまず急速に整備された廃棄物関連法を精査し, 再生利用における影響を整理した。次にそうした法的規制により大きな影響を受ける廃棄物関連業界の動向を企業への聞き取り調査を基に現状の課題とともに提示した。一方インターネットに関しては, 廃棄物関連業界の普及率等をアンケートにより調査した。廃棄物関連業界における普及率は他の業界と比較しても遜色なく, 情報通信インフラと