広島大学マネジメント研究 2 号
2002-03-20 発行

納税者番号制度導入の条件 <平成13年度(2002年3月)修士論文要旨>

西山 進
全文
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KJ00000053562.pdf
Abstract
わが国の税制やその執行は, 課税技術の限界により, 各種の問題を生じている。納税者番号制度は, 課税技術を高めることに大きく貢献するものと期待される。しかし, 本制度は, プライバシー侵害のおそれがあるなどの理由で反対され, 未だ導入に至っていない。わが国の財政は, 国民の受益と負担にアンバランスが生じ, 国民の追加負担は, もはや先送りできない状況にあり, 増税は避けて通れないものと考えられる。誰に, どれだけの追加負担を求めるのかという課題に, 税制は抜本的改革を図る必要がある。課税制度として如何に優れていても, 執行面の課題, すなわち, 課税技術の限界を残したままでは, よい税制とは言えない。また, 税制やその執行面で不公平のまま国民も追加負担となる増税には理解を示さないだろう。今, 正に課税技術の向上を図ることが必要なのである。課税技術の向上に貢献する納税者番号制度である。納税者番号制度の導入を図るために, 国民の理解と合意を得ることが必要である。国民の理解と合意を得るためには, 本制度が, 国民に与えるメリットを現すと共に, 国民に及ぼすデメリットを最小限に抑える方法を示していかなければならない。納税者番号制度の導入によって, 国民が受けることができるだろうと考えられるメリットを挙げ, デメリットである「プライバシー侵害のおそれ」を抑えることができる仕組みを考察した。本論文の構成は次のとおりである。
内容記述
広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻平成13年度(2002年3月)修士論文要旨