広島大学心理学研究 Issue 1
published_at 2002-03-28

ソースモニタリングに及ぼす文脈変化の影響

Influences of contextual changes on source monitoring
Takeda Tsutomu
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Abstract
記銘と想記時の文脈を操作し,文脈変化がソースメモリーの想起に与える影響を調べた.本研究では,説得メッセージによって生じる態度変化の量をソースモニタリング遂行の指標として用いた.ある意見に対する態度を事前軋定した後,情報源の信憑性の高低で2条件を設けた説得メッセージを読ませ,直後と3週間後に態度軌定を行った.3週間遅延後の態度軌定に説得メッセージの情報源の信憑性が影響するかどうかをソースモニタリングの有無の指標とした。遅延後の軋定では,事前及び直後の測定時と同じ文脈,異なる文脈という2条件を設け,両条件間で情報源の信憑性が説得効果に及ぼす影響を比較した.その結果,文脈が異なると信憑性の高低の影響はほとんど無く,文脈が同じ場合には態度変化量に信憑性の高低の影響が出るという交互作用の傾向が見られた.この結果は,記銘時と同文脈に置かれるとソースモニタリングが行われ,具文脈ではソースモニタリングが行われなかったか失敗したことを示唆している.
Keywords
ソースモニタリング
文脈
説得メッセージ
スリーパー効果
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