広島大学心理学研究 1 号
2002-03-28 発行

検閲効果に及ぼすリアクタンス傾向の影響

The influence of trait-reactance on censorship effects
戸塚 唯氏
大月 義明
樋口 匡貴
全文
553 KB
hpr_1_69.pdf
Abstract
本研究は心理的リアクタンス理論(Brehm,1966)の枠組を用いつつ,被験者のT)アクタンス傾向が検閲効果に及ぼす影響を,場面想定法を用いて検討した。独立変数は,リアクタンス傾向(高群,低群)と自由の回復(回復あり,回復なし)であった。分散分析の結果,リアクタンス傾向要因,自由の回復要因の主効果,両要因の交互作用は見いだされなかった。次に個人内反応のレベルでより詳細に検討するために,リアクタンス傾向の下位概念を明らかにした上で,3つの下位概念,被験者の諸反応等を独立変数とする重回帰分析を行った。その結果,下位概念の1つである反抗,および被験者の性,検閲者に対する評価,メリット評価の変数が,被験者の態度に有意な影響力を持っていることが明らかとなった。
著者キーワード
検閲
リアクタンス尺度
心理的リアクタンス理論
説得
態度変容
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