広島大学心理学研究 1 号
2002-03-28 発行

資料 幼児の対人葛藤場面における第三者の行動

Third-party behavior in interpersonal conflict situations in preschool children
越中 康治
全文
1.45 MB
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Abstract
本研究は,幼児の対人葛藤場面における第三者の行動の実際を明らかにすることを目的とした.4歳児クラスの幼児35名を対象として,自由遊び場面における観察を行った.本研究の結果から以下のことが明らかになった.第1に,多くの幼児が存在する遊び場面における対人葛藤では,第三者による行動が約4割(43.6%)の割合で出現した.第2に,4歳児においては,対人葛藤に対する中立型の介入行動はそれほど多くは見られず,加勢型の介入行動が多かった.第3に,中立型の介入行動は,第三者が対人葛藤の当事者と遊び集団外の関係にあるときになされることが多かった.加勢型の介入行動は,遊び集団内の関係にある当事者に対してなされることが多かった.第4に,中立型の介入行動は,保育者の存在あるいは援助があった場合には協調的な解決を促すものであった.加勢型の介入行動は,それを受けた当事者が対人葛藤の勝者となる可能性を高めるものであった.第5に,対人葛藤とそれに対する第三者の行動は,男児,女児それぞれの仲間関係や遊び集団のあり方の影響を受けていた.
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