広島大学心理学研究 1 号
2002-03-28 発行

干渉課題における抑制の位置

The locus of inhibition in the Stroop-like task
芝崎 良典
山崎 晃
石田 裕子
邱 學瑾
全文
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hpr_1_161.pdf
Abstract
本研究の目的は,Tipper&Driver(1988)の処理モデルが妥当であるか否かを検討することであった.Tipper&Driver(1988)のモデルは,検索段階が終了した後に選択段階に移るというように時系列的に各処理が進むというモデルである.このモデルに従えば,妨害情報の抑制が行われるのは,適切情報の検索が終了した時点より後になると予想される.実験の結果,促進は反応遅延間隔O msから200msの間で観察されたが,反応遅延間隔400ms以降では生じず,適切情報の検索処理は刺激提示から400msが経過するまでに終了することが分かった.また,干渉は反応遅延間隔Omsで観察されたが,反応遅延間隔100msから800msの間では生じなかった.この結果は,妨害情報の抑制は刺激提示から100msが経過するまでに終了することを示している.これらの結果は,妨害情報の抑制が終了する時点は適切情報の検索が終了する時点よりも前にあることを示しており,Tipper&Driver(1988)の直列的なモデルは頑健なものでないことが分かった.
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