広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター研究紀要 9 号
2011-03 発行

脳性まひ児の機能的座位姿勢と頸座及び上肢の操作との関係 : 座位保持いすを使用した2人の脳性まひ児の事例を通して <原著>

The Relationship among Functional Sitting Posture, Head Control, and Use of Upper Limbs for Children with Cerebral Palsy <Original Articles>
橘高 由香里
木舩 憲幸
全文
358 KB
CSNERP_9_23.pdf
Abstract
体幹がやや前傾した座位姿勢,つまり機能的座位姿勢は上肢の操作を促すと言われている。本研究では,学校において座位保持いすを使用しており,また頸座に困難が見られる2名の脳性まひ児の座位,頸座と上肢の操作との関係を明らかにした。図工の学習場面を観察した結果,体幹がやや後傾した座位姿勢において体幹が円背となることもなく,頭部も垂直位に保持されやすく,学習に適切な上肢の運動が比較的多く見られることが明らかになった。結論として,頸座に困難の見られる脳性まひ児の場合には,機能的座位姿勢,つまりやや体幹が前傾の座位姿勢より体幹をやや後傾させた座位姿勢が,上肢の使用に適した姿勢である可能性が示唆された。
著者キーワード
脳性まひ
上肢操作
機能的座位姿勢
頸座