本研究においては,障害のない幼児・児童における非対称性緊張性頚反射の出現率を年齢差,男女差,頭部回転方法による差に注目して比較することを目的とした。研究参加者は幼稚園に通っている障害のない幼児と,小学校の1年生,3年生と4年生の計162名であった。年齢差の要因に関しては,年少,年中,年長,1年,3年,4年の全学年において,四つ這い位での非対称性緊張性頚反射が誘発された。しかし,その出現率は低年齢ほど高かった。性差に関しては男性よりも女性の非対称性緊張性頚反射が誘発されやすいという結果であった。回転法に関しては,受動的回転よりも能動的回転のほうが非対称性緊張性頚反射が誘発されやすかった。しかし回転方向における主効果はみられなかった。