同一養魚池で飼育したマゴイから年4回採血し,血漿成分の季節的変動を測定した。血漿タンパク質は,50%,飽和硫酸アンモニウム溶液に対する溶解度の差を利用して,アルブミンおよびグロブリン画分に分離し,両者の電気泳動的挙動を調べた。
セルロースアセテート電気泳動像に現われたタンパク質成分をアルブミンおよびグロブリン画分にわけ,両者の比の季節的変動をみると,暖期にアルブミン画分が多く,寒冷期に少ない。また,アルブミン性タンパク質のうち脂質を含むアルブミンの動向をディスク電気泳動で観察すると,暖期に多く,寒冷期に少なく,その変動は血漿タンパク質の増減をも支配する。しかしながら,血漿総脂質量と脂質を含むアルブミン量の季節的変動の傾向とは一致しない。