小学校家庭科における栄養教育として,支援ツールを用いた授業を開発し,その成果と課題を実証的に検討した。単元終了後もその学習成果が長期に維持されることを期待したが対象者によって一様ではなかったため,その要因として家庭での取組状況や保護者のかかわりに着目して分析した。食品分類の知識を問う6群ポストテストの冬休みをはさんだ得点推移をもとに,児童を2つのグループに分けて検討した結果,食品分類の知識が低下したグループでは,支援ツールとしての食事ポイントポスターの活用や保護者からの言葉かけの質に課題が認められた。家庭科授業と保護者をつなぎ,より効果的な連携によって学習の定着を図るためには,支援ツールの確実な活用と保護者のかかわり方の質に踏み込んだ役割の提示が必要であると考えられた。