次世代を担う子どもたちの教育者となる教員養成課程に所属する学生は,広がるグローバル化の波を感じながら,教員になるための準備をどのような思いで進めているのか。フィンランドのオウル大学と広島大学の初等教員養成課程に所属する学生を対象としたアンケートと面談調査をもとに,学生がどのようにグローパルなものの見方や異文化問能力の必要性を捉えているか,また教員養成課程がどの側面からそれらの構築を促しているかについて考察した。その結果,双方の学生の多くは,異文化問能力やグローバルなものの見方がこれからの教員に必要だと捉えており,限られた授業や講義,また大学キャンパスにあるリソースを,どのように有効活用することで,このような学生の求める教員としての資質向上に応え学びの幅を広げていくことができるのか,についての更なる検討の必要性が明らかとなった。