本稿では,あらたな土地利用に関する問題について,課題毎の研究論文をレビューし,従来の研究の課題意識で触れられていない今後の土地利用に関する課題は何かを考察する。その結果,かつて,バブル経済が土他市場に与えた地価高騰などの社会情勢のもとで行なわれた土地利用に関する問題意識から,従来の研究は詳細な土地利用変動研究と制度研究になりがちな傾向であるということ,及び,今後は,土地利用の自由市場と政府主導による規制・土地利用計画の限界から予想し得なかった不確実性を取り込み,土地や都市施設といった既存ストックの活用法について言及したマネジメントの手法が必要であるとの知見を得た。バブル経済崩壊後の財政逼迫,少子高齢化といった社会情勢の変化をかんがみ,広いエリアでみれば地域・都市の将来増をイメージしつつ,これを実現するための"土地利用をマネジメンドするという概念の提起の必要性を確認した。