手術療法を受けた患者の退院支援について検討する目的で,退院指導と病院内・外の保健・医療・福祉職の連携の実際について,全国の300床以上を有する特定機能病院と一般病院887施設から234施設をランダムサンプリングして,外科系病棟看護師長を対象に調査を行った。126施設の看護師長364名の回答結果から,患者の相談室や外来通院治療室が設置され,また,設置されていない施設においては準備・検討中である割合が高く,かつ病院機能評価を受審した病院が多いことなど,診療報酬による政策誘導の成果が示された。しかし,退院計画や退院調整をする部門は設置されていない施設が多いといった結果が示され,早期退院後の患者の受入体制はシステムとして充分には整備されていない状況であることが見出された。そうした中で看護職は患者の退院にあたり退院指導が必要と認識して実施しているが,患者のニーズに添った退院支援ができるように,実施した退院指導の内容を評価すること,および,地域の保健・医療・福祉施設へ患者の情報を提供する際に患者・家族の承諾を得ることを認識する必要性が示唆された。