広島大学マネジメント研究 5 号
2005-03-19 発行

わが国における都市公園の整備指標に関する研究 <論説>

A Study on lmprovement Indices of Urban Parks in Japan
塩出 興二
全文
1.13 MB
KJ00004290879.pdf
Abstract
明治以降,わが国が近代国家として成長する過程で,近代都市に必要不可欠な施設としての公園の整備が重要な課題となった。現在では,公園は都市内に様々な形態で存在し,身近な都市空間として,都市生活に潤いと安全を与えるものとなっている。しかし,わが国の公園整備の面積は少なく貧弱であると言われているが,公園整備の具体的な数値として表現されていない。何に対して公園が不足しているのかを知るためには,わが国の公園整備の現状を知る必要がある。整備の現況を把握するために必要な目標や指標は何かを,この論文で検証する。そして,整備の状況を示す指標が,いかなる歴史の中から生まれたかを知る必要があるため,近代都市公園の始まりとされる,明治初期の太政官布達第16号と,東京市区改正に焦点を当て,その内容と背景を検証する。そこから導かれた公園の整備状況を分析する指標の検討を行うとともに,公園整備の現状をその指標を用いて分析する。さらに,身近な公園の整備状況を分析するための,新たな指標の提言を行う。
著者キーワード
太政官布達第16号
東京市区改正
都市公園
公園整備指導