本稿は,ケアワーカーの職務関与と組織コミットメントがサービスの質に及ぼす相対的影響力を明らかにすることを目的とした。調査は,高齢者デイサービスセンターで働くケアワーカー295名を対象に質問紙調査(郵送法)を行った。重回帰分析を行った結果,情緒的職務関与,行動的職務関与,愛着,および内在化がサービスの質に正の影響を与えていることが明らかとなった。さらに,職務関与のほうが組織コミットメントよりもサービスの質に及ぼす相対的影響力が強いことが確認された。これらの結果から,高齢者デイサービスセンターにおけるケアワーカーのサービスの質を向上させるためには,職務への興味や自主的に職務を遂行しようとする意欲を高めると同時に,組織への一体感や愛着を高めていくことの重要性が示唆された。