ブランド価値評価は,これまでブランド価値評価機関や研究者などにより行われてきた。その評価方法は,3つに大別できる。第1は,財務データのみによる財務アプローチ,第2は,企業イメージ調査や品質感など主として定性情報をもとにしたマーケティングアプローチ,第3は,財務アプローチとマーケティングアプローチを融合させたものである。
本稿では,価値評価のための唯一のデータを公表財務数値に求め算式を構築している,いわゆる「経済産業省モデル」に焦点をあてる。具体的には,ブランド価値評価モデルの3つのドライバーの論理,モデルに対する評価や客観的妥当性について考察している。