2006年度高校1年生において,英作文の指導,特に内容的にまとまりのある文章を書くことの指導を重点的に行なった。高校生が英語で文章を書く場合,個々の文の文法的正確さにのみ注意が向けられ,文章全体の構成にまとまりが見られなかったり,文章に盛り込むべき情報の吟味が十分でなかったりすることが多い。これは,一面では生徒の英語使用経験が未だ貧弱であることに起因するものであり,書くことの技能に特有の問題というよりは,全般的な英語力の問題であるといえる。しかし,その一方で,そのような要素に対する生徒の意識が低いことも事実であり,そこに明示的な指導を行なうことにも意義がある。そのような考えから,本年度は「英語I」において,まとまりのある文章を書くことに対する生徒の意識と技能の向上を図る指導を試みた。本稿ではその概要を報告する。