中等教育研究紀要 Issue 64
published_at 2018-03-31

高等学校外国語科における見方・考え方を働かせる指導の具体

The Report of the Lesson in High School to Develop the Perspective for Better Expressions
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Abstract
本稿は,高等学校外国語科における,教科特有の見方・考え方(以下,見方・考え方)を働かせた指導について報告する。外国語ワーキンググループにおける審議の取りまとめ(2016)や外国語科中学校学習指導要領(2017)などにおいて,見方・考え方という用語が用いられている。見方・考え方を働かせるということは,「外国語で表現し伝え合うため,外国語やその背景にある文化を,社会や世界,他者との関わりに着目して捉え,目的・場面・状況に応じて,情報や自分の考えなどを形成,整理,再構築すること」と定義されており,現在,教育において求められる「主体的・対話的で深い学び」における「深い学び」の鍵となるのが,この見方・考え方を生徒が働かせることであると指摘されている。この見方・考え方を働かせた指導は中学校のみならず高等学校でも求められることとなるが,この用語の理解が外国語科中等教育において十分に浸透しているとは言えない。そこで,この見方・考え方という用語を再定義し,その定義に基づいて行った実践およびその効果を示すことで,用語が表すものの理解,及び見方・考え方を働かせた実践の一助となること,ひいては「思考力・判断力・表現力の育成」を実現する一助となることを期待し,本稿にまとめた。
Abstract
A high school lesson plan was developed to improve students’ ability to choose better expressions using an interpretation of “way of thinking,” which was a new term in the report of the Ministry of Education in Japan (2016). Based on this interpretation, the developed lesson plan encouraged students to consider what better expressions are and what should be considered for better expressions. As a result, a positive change in the quality of the students’ compositions was observed. This study indicates that teachers should improve their students’ ability to think of better expressions by showing them new perspectives: i.e., purpose, audience, and situation.