中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 45 巻
2005-03-22 発行

中学校数学科における出店授業の調査研究 : 中学校2年生を対象として <第2部 教科研究>

岩田 耕司
全文
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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_45_219.pdf
Abstract
子どもが主体的に取り組む授業を実現する一つの方法として,出店形式による授業(出店授業)が挙げられる。しかしながら,出店授業に関し,その方法や概括的な実践報告はなされてはいるものの,そのような授業が子どもたちの認知面や情意面へ及ぼす影響などを調査し,その結果や示唆などを報告しているものはあまりみられない。それゆえ,そのような授業の有効性や,授業における留意点など,不明確な点も多い。

そこで,本研究においては,中学校2年生を対象とした,出店形式による授業や事後アンケートを計画・実施し,出店授業における子どもの様相を多角的な観点から探ることにした。その結果,多くの子どもは,出店授業を肯定的に捉えていたこと,さらには,出店授業において説明のための準備が極めて重要であることなどが分かった。また,そのことに関連し,出店準備に対する時間配分や指導上の注意点も示唆された。