前報1-4)において,米,ジャガイモなどの蒸煮速度式に関する研究を行なってきた。本研究は,米,ジャガイモなどデンプン類食品と主成分を異にしている大豆の浸漬,蒸煮速度式に関する研究を行なったものである。
(1) 大豆の浸漬,蒸煮速度を,温度20~100℃において重量法により求めた。
(2) 浸漬,蒸煮速度式は,1次の経験的速度式と穀状吸水モデルに基づいた半理論的速度式で表わすことができた。
(3) 見掛の活性化エネルギーは,約7kcal/g-molとなり,本研究より高い温度98~127℃においてQuastら6)が求めてきている値43.5kcal/g-molよりかなり小さい値となった。大豆の蒸煮現象は,約100℃以下で物理的変化,また,これ以上で化学的反応が主体になっているのではないかと考えられる。