小学校現場において,子ども達は,音楽科の授業はもちろんのこと,「朝の会」や行事等,様々な機会に歌を歌う。その際に伴奏楽器として用いられる楽器は,ピアノ,キーボード,ギターなどがあるが,これらの楽器を苦手とする教員は少なくない。そこで,筆者らは,楽器の技術の乏しい教師が伴奏を簡単にできるようになるために,コードネームに基づく伴奏を前提に,ギターを変則チューニングに設定する手立てに着目した。先行実践を参考に,将来教員を志望する学生4名(いずれもギター未経験者)を対象とした簡易伴奏法の指導を行った。本論文では,その経過と成果・課題を振り返り,教員養成課程の指導内容のひとつとして変則チューニングによるギターの伴奏を取り入れることの可能性と課題を明らかにした。