本論文では,意思決定プロセスにおける思考・判断・表現する力の育成を目標とした,やり取りの力をつける言語活動を中心とした単元展開の実践例を紹介する。意思決定タスクへの参加を通じ,高校生が英語学習の新たな価値に気づくため,学習意欲の向上が期待できる。単元で到達すべき目標を下位項目に細分化し,単元内に複数の言語活動を構成すると,生徒はやり取りに必要な言語材料に習熟しやすくなり,また授業者は発話内容や表現形式面で指導のポイントを明確に設定しやすくなり,学習効果が高まる。実際の授業や評価の場面で得られた生徒の英語発話について,発話の質とやり取りの相互性を分析し,高校生を対象とした言語活動中心の指導のあり方を考察する。