本研究は,中学校2 学年を対象にSTEAM 教育型授業を施すことで,学習者に「実社会・実生活における問題解決をするために,STEAM 教育での学びは活用されるのか」,「STEAM 教育型授業は科学の実用的な価値認識を変容させるのか」を確かめることを目的としている。
学習者はSTEAM 教育の5 領域を学習し,実社会・実生活における問題である,人口減少問題に取組んだ。観光客を増やすことは人口減少社会に対応するといわれている。そのため,STEAM 教育の学びを活用し,科学的な視点をもったエコツアー(Science ecotour ; SET)を創出し,提案する場面を問題解決の場面とした。
創出されたSET の内容は,STEAM 教育型授業で学んだことを活用するとともに,学習者が自らで訪問先・体験内容を考え出す独創的なものであり,新たな価値創造を認めることができた。活動後の学習者は,STEAM 教育型授業に,科学の実用的な価値を認め,その認識が向上することが明らかとなった。