中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 54 巻
2014-03-19 発行

一人一人が明確なめあてを持ち,心と体の変容に対する認識と論理的思考力を育てる体育の授業 : グループで取り組む長距離走 <第2部 教科研究>

畦田 絵里子
田北 純平
福田 和真
全文
1.91 MB
Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_54_205.pdf
Abstract
高校2年生女子68名を4~6人の異能カグループに分け,12 時間の長距離走を行った。単元前半の2時間で走法の理論学習を行い,各自のフォームの課題を明確にした後,4つの練習メニューを実施し,各練習の目的と実施方法を理解した。その後,グループ毎に練習メニューを選択し,運動強度を決定して練習し,3,000m走にチャレンジした。その結果,3,000mチャレンジ走でのタイムの向上は半数にとどまった。しかし,この単元実施前までの生徒たちは長距離走を好まない傾向にあったが,授業後には約7割の生徒が長距離走が好きだと答え,また多くの生徒が楽しく興味を持って活動できたと答えた。自分たちの課題解決に必要な練習を選択実施し,グループで励まし合い,互いに合理的なフォームについて考えながら練習したことで走り方が分かり,心地よくペースを保って走ることを体感し,達成感を得られた。