中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 54 巻
2014-03-19 発行

薬について考える授業 : 実験を伴う授業の効果について <第2部 教科研究>

畦田 絵里子
田北 純平
福田 和真
全文
3.43 MB
Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_54_193.pdf
Abstract
生徒の「くすり」との関わり方を調べてみると,関心や知識はある程度持っているものの,その実際の使用においては,「安易な行動」が見受けられる。このような実態を改善するための授業には,何が必要であろうか。「医薬品は,あくまでも,人の持つ自然治癒力を助けるものである」という前提のもと,形状のもつ意味・体内での働き方• 主作用と副作用,等の内容を,科学的に理解することは当然重要なことであるが,それを実践力につなげるためには,生徒自身の「なるほど」という確かな納得が必要となる。今回の授業においては,そのための工夫として,生徒の身近に存在する実物の医薬品を使い, 4つの実験を行った。生徒は実験に興味を示しただけでな<, 実験を通して知識・理解を深め,確かに納得したと言える。が,何よりも,「くすり」と向き合う「意識・姿勢」を新たなもの・確かなものにできたことで,セルフメディケーションの本旨達成に近づけたことがそれ以上の成果ではないかと考える。