中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 54 巻
2014-03-19 発行

製錬を題材とした実験教材の開発 <第2部 教科研究>

全文
3.05 MB
Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_54_177.pdf
Abstract
本研究は「金属の製錬」を題材とし,高等学校化学基礎(および化学)での学習内容に対応した教材を開発することを目的とした。鉱石を還元剤と混合し高温状態にすることで,還元剤のはたらきにより金属単体が得られることは広く知られており,産業界ではこの反応を用いて大規模な製錬が行われている。電子レンジから発生するマイクロ波を用いることで製錬に必要な高温状態を比較的簡単に実現できることが知られており,本研究ではこの方法を用いて製錬を再現する実験教材の開発を行うとともに,反応の定量的な扱いを試みた。実験時の安全性の確保や,扱う物質によっては定量性が確保できないこと,実社会との関連の希薄さなど,教材化に向けての課題は残るものの,省スペース,短時間で製錬を再現でき,化学反応の量的関係の理解や反応に伴うエネルギーの出入りの考察に活用できる教材を開発し,授業へ導入する見通しを立てることができた。
内容記述
本研究は平成25年度科学研究費補助金(奨励研究),(課題番号: 25909016) の援助によって実施したものである。