本稿は, 筆者が1999年度に担当した3年生3学期の授業で実施したディベート活動を中心にした授業単元の実践報告と, 生徒の英語運用力の特徴をはじめ, 活動を成功に導いた要因の記述を目的としている。ディベート活動は, 特に即座の反駁において, 相手の発言の意図を理解し, 意見を論理的に組み立てるための高い英語運用力も求められるため, 中学生にとって負担の大きい活動である。しかしながら, 本実践を経験した生徒は, グループ活動の助けもあって, 批判的・分析的な準備が十分に機能し, 英語運用力には不十分さを感じつつも, 実践的なインターラクションが展開でき, 困難を伴う準備に報いる結果が得られたという実感が持つことができた。そのような肯定的な感想を持った根拠は, 生徒の作成した作文のパラグラフの構造分析や外国人講師のフィードバックにより明らかになった。