本研究は、全国の盲学校58校から研究協力を得て、盲学校に在籍する単一弱視生徒の視覚の精度を表す指標値間の関連を明らかにすることを目的とした。弱視生徒の遠距離視力と近距離視力の関係では、近距離視力が高いものの割合が高いことが示された。これは文部科学省の学校保健統計調査と同様の傾向を示すものと考える。また、最大視認力に関しては遠距離視力及び近距離視力と、最大視認力値及びその際の視距離は互いに独立した指標として捉える必要性を示した。また、弱視レンズの使用率は、遠用弱視レンズが41.1%、近用弱視レンズが44.7%であった。弱視生徒の多くのものが遠距離視力0.3未満であり、さらに他に代わる視覚補助具がないことを考えると、盲学校卒業以前に活用技術を身に付けさせておく必要性が指摘できる。また、近用弱視レンズに関しては、最大視認力が低いものほど、その使用率が低いことが示された。