NICUに入院した児の母親の早期ケアは,産後抑うつの予防のために重視されている.われわれのグループはNICUに入院した母親の早期ケアのための手がかりを得るために両親の不安についての研究をおこなってきた.STAIにもとづき不安の量的検討をおこなったところ,両親の不安は,児との初回面会前後に高いが,1ケ月後,1年後には低下し,普通のレベルを維持することを明らかにした.さらにアンケート調査によって不安を質的に検討したところ,両親の不安は児をみる,児に触れるといったかかわり経験によって短期間に処理されると考えられた.父親に,母親の児との初回面会時の支持者としての役割を期待するためには,父親の不安が看若者によって汲んでもらえたと感じることの重要性を指摘し,看護者にカウンセリング・マインドの必要性を示唆した.