濃硫酸による鋸屑の加水分解において,Odincovは機械エネルギーの効果が認めているが,木材より脱ペントーザンされたリグノセルロースを原料とし,機械エネルギーとしてボールミルを用いて試験した結果,一次反応式によく従うことを認めたが,その反応速度は使用された動力に対して極めて低く,したがって膨大なる動力費を要することになることから,工業化に対して不満足なものであるとした。
従来研究された硫酸の混合機はいづれも一長一短があり,使用硫酸の節減と取扱い易い混合機として遠心法によるものを試作し,連続の装置試験を行い,濃硫酸との混合比1:1で90%以上の還元糖収率の好結果を得た。試験装置ではアメ状の混合物が掻取羽根に付着炭化し,長期運転の支障となったが,工業装置ではアメ状混合物を直ちに落下する方式で2週間程度の連続運転を可能にした。また,熟成は従来機械的撹伴が必要とされていたが,上方式の混合の場合は撹伴は全然不要であることが認められた。