相模湾,駿河湾産の5種類の甲殻類についてカロチノイド,及びそのうちの2種類について甲殻の色素蛋白質の分析を行った。全ての甲殻類のカロチノイドは薄層クロマトグラフィーで約10成分に分離し,そのうちアスタキサンチン,アスタキサンチンエステル,及び未同定のキサントフィルが主成分であった。
Acanthephyra quadrispinosa及びSergestes prehensilisの甲殻からカロチノイドを含む色素蛋白質を分離したが,この蛋白質は量的にみて,色素としての作用よりもカロチノイド運搬のような生化学的な機能を果すと考えられる。