広島大学マネジメント研究 3 号
2003-03-20 発行

電子認証サービスの現状と課題

Digital Certificate Service in Japan
全文
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KJ00000705257.pdf
Abstract
電子商取引の広がりと電子政府化の進展により,ネット上の取引や届出・回答の当事者が本人であることの証明と,電子化書類の真正性の保証を行う電子認証の普及が大きな課題となっている。技術面では公開鍵暗号方式による認証基盤(PKI)が一般的な方法として確立してきており,それを基礎とした電子認証サービスについては,民間事業者に対する認定制度,法務局の登記所や公証人によるサービスの開始,政府の認証局の設置などが相次ぐなど,制度整備も進展している。電子認証サービスの市場規模はまだ小さいものの,今後,企業闇取引の電子化と電子政府化の進展により,法人・団体向けについては,市場の拡大と付加的なサービスを含めた種々の認証ビジネスの展開が進むことが推測される。これに対し,個人向けの認証サービスの普及にあたっては,現状ではいくつかの課題がある。