非正規労働者の増加が著しい。なかでも,パートタイマーは非正規労働者の6割を占める労働者となっている。これまで定型業務や補助業務の担い手とされてきたパートタイマーであるが,今では正社員的な職務を遂行するパートタイマーの存在が認められるなど,働き方にも変化がみられる。しかし,正社員と比較したパートタイマーの雇用環境の悪さが問題視され,2008年には短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律が改正された。本研究では,A 社が取組んでいるパートタイマー人事制度改革の取組事例を詳細に記述し,パートタイマー人事制度の課題を明らかにするとともに,基幹労働力としてのパートタイマーの活躍化に求められる人事制度についてインプリケーションを導きだす。