中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 49 巻
2009-03-20 発行

心と体の変容に対する認識を育てる授業 : 2000mペース走を通して <第2部 教科研究>

小林 真紀
全文
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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_49_265.pdf
Abstract
我が校では,1971年に「長距離走の学習指導法について」の実験研究を行って以来,「ペース走」という概念を中心に据えた授業を展開し,工夫・改善を重ねながら現在の手法を6カ年一貫教育の中で定着させてきた。生涯にわたって運動やスポーツに親しむためには,その場面場面で出会う課題を解決しながら前進してゆくことができる力を育むことが必要であるが,そのためには,課題解決能力を身につけ,真の自立を確立する必要がある。長距離走についても,生涯スポーツにつながる可能性の高い種目であるが,そのためには,「走ることを通じて生じる自分の身体や心の変化」を敏感に感じ取り,現状分析や展望を持つことが,課題解決能力を身につけた「自立した人間」への第1歩となりうると考える。今回の研究においては,授業の中で生徒たちがどのような認識を育てているのかを検証することで自立への方策を探ってみた。