現代を学ぶ視点は,①変化の視点,②分析の視点,③比較・関連性の視点,④予測の視点,⑤価値判断の視点の5つに集約できるのではないかと考えている。しかし,⑤に踏み込むためには,公正にかつ客観的に学ぶということを満たすよう,社会科学の方法論を身につけさせ,事実判断の部分をしっかりと理解させるべきで,①~④をどう扱うかをまず考えなければならない。そこで,貧困発生のモデルを追究している開発経済学の研究成果を授業化し,途上国だけではなく日本にも適用させて今後を考えられるような知を獲得し,社会科学的かつ客観的に④をもち,⑤につなげていくような,「なぜ貧困は無くならなかったのか-経済成長と貧困の関係-」という授業を開発した。