現行学習指導要領の中学校社会科(歴史的分野)の目標の1つには,「身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め」ることと,「様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」ことがあげられている。また,日本史の研究の視点として,近年各地の遺跡からの出土品やさまざまな文献が注目され,それらをもとにして中世の人々のくらしや文化を明らかにしていく取り組みが盛んに行われている。これらに基づき,草戸千軒町遺跡という生徒にとって身近な地域の歴史を扱いながら,同遺跡からの出土品や同遺跡に関わる文献などの資料を活用し,生徒が中世の人々のくらしをより深く理解できる授業開発を行っていくことにした。