本研究の目的は,NICU内の昔の現状を把握することにより騒音の軽減を図り.騒音対策案の効果について検討すること,また看護の在り方,児と看護婦にとっての快適環境についても検討することである.騒音計を用いて,NICU内の保育器内外の騒音レベルを(a)慌ただしい時間帯(午前9~10時)と(b)落ち着いている時間帯(午前11~12時)の其々1時間5回ずつ,平均dB及び突発音の回数についてデータ収集を行った.そのデータを基に騒音対策案を作成し,騒音対策案実施後再測定を行った.同時に対策案を実施しての感想を質問紙にて調査した.更にブラインドで,対策案実施半年後及び一年後に騒音レベルの再測定を行った.その結果,(1)保育器内騒音レベル;対策案前後で差はなかった.(2)保育器外騒音レベル;平均dBは.(a)では対策前と比べ対策後とブラインドテストとも平均2dBの有意な減少が見られた.(b)についても対策前後では,やはり約2dBの有意な減少が見られたが,ブラインドテストでは差がなかった.(3)突発昔(保育器外);(a)に限って,対策後及びブラインドテストともに有意な減少がみられた.質問紙の結果ではスタッフの殆どが,〈対策案を実施して良かった〉と答えている.その理由の中で,〈騒音が減少した事で私達の精神面でもストレスが減り良いと思った〉という定見があった.得られた結論は,以下の通りである.1)スタッフが意識を変えることで騒音は軽減でき,かつ継続して効果が得られる.2)騒音を軽減しようとするスタッフの意識,行動は,児を中心とした看護そのものである.3)騒音を軽減することはスタッフにとっても精神衛生上よく,快適な...