本研究は,挿管中の早産児において,先行研究の1事例を通じて抽出された8つの顔表情が痛みを伴う処置(足底穿刺および栄養チューブ抜去)において確認できるか否か,また,痛みの程度を表しているか否かを明らかにすることであった.その結果,次の点が明らかになった: 1)8表情のすべてが処置中に認められた.2)顔面筋の作用と先行研究をも含め,痛みを示す顔表情は5~8の4段階が認められ,顔表情7と8は穿刺による皮膚の損傷に伴う,あるいは,関連するものであった.3)処置の手順が進行するにしたがって顔表情は8へと進み,手順が終わるにしたがって1に進んだ.4)痛みに対する耐用が消失したことを知るには、顔表情以外に、身体の動きや全身の緊張や弛緩の程度、皮膚色を組み合わせることによって、痛みの反応を包括的に捉える必要がある。5)気管内挿管中の早産児に適用するための痛みのフェース・スケール(案)を作成した。臨床での試用を通じて、統合できる顔表情、あるいは、追加すべき顔表情を明らかにする必要がある。