本研究では,小児のための訪問看護ステーションの活用及び,訪問看護ステーションと他施設間の連携・協働に関する現状と課題を明らかにすることを目的とした.調査対象は訪問看護ステーションを利用している子どもの親7名であった.調査方法は半構成型の面接調査とし,結果は記述的に分析した.子どもの主病名は低出生体重児,先天性表皮水泡症,低酵素性虚血脳症,喉頭軟化症,全前脳泡症であり,年齢は3ヶ月以上8歳8ヶ月以下,訪問看護ステーション利用期間は1ヶ月以上2年8ヶ月以下であった.調査結果から次の課題が明らかとなった : 1)退院直後から適切な訪問看護を提供するため,退院前の病院での子どもの状態観察や家族との話し合い,家族への訪問,病棟スタッフとの情報交換を行う必要がある.; 2)訪問看護師は医療面だけではなく,育児支援・指導や両親・家族の援助など幅広い看護ケアを提供していくことが重要である.; 3)各施設間での連携・協働が十分に確立していない状況下で,家族は各職種に対する役割を判断・選択していた.今後各施設間における連携・協働体制を確立していくことが不可欠である.