本研究は,ストレッチポール®を使用したエクササイズによる腰背部筋での筋硬度,筋放電量の変化を明らかにすることを目的とした.対象は,腰痛を有しない若年成人15名(男性5名,女性10名,年齢22.5±1.5歳)とし,ストレッチポール®を使用したエクササイズの基本となるベーシックセブンを実施した.エクササイズの前後に,立位にて触覚センサーおよび表面筋電計を用いて第10胸椎(Th10)と第3腰椎(L3)レベルでの左右脊柱起立筋の筋硬度および筋放電量を測定した.その結果は,各レベルの左右別ではエクササイズにより筋硬度,筋放電量ともに有意な変化は認められなかったが,筋硬度の左右差の絶対値がTh10レベルにおいて有意に減少した(p<0.025).この結果より,ストレッチポール®エクササイズの基本となるベーシックセブン法はTh10の高さの脊柱起立筋の筋硬度の左右差に影響することが明らかとなった.