フリーランスの所得区分は,労働関係法上,独立事業者か従業員か明らかでない部分が多く,そのことを受け所得税法上の事業所得であるのか給与所得であるのかは,必ずしも明確ではない。本稿では,オーストラリアにおける雇用と自営との中間的な働き方をする者に関する税法と労働関係法について紹介し検討を加えている。
APSI法では,シェアリングエコノミーにおけるフリーランスを,節税のための法人として否認し,経費制限・源泉徴収などで規制しようとする。一方,労働関係法で,公正作業法・独立請負人法の保護があり,オーストラリアのフリーランスの所得区分は,課税と労働関係法とのバランスの上に存在している。