広島大学マネジメント研究 17 号
2016-03-25 発行

個人イノベーションにおけるアイデア生成と アイデア実現の弁別に関する文献研究 <研究ノート>

Literature review of Discrimination between Idea Generation and Idea Implementation in Individual Innovation. <Notes>
大上 麻海
全文
1.23 MB
HUMR_17_23.pdf
Abstract
本稿の目的は,生成されたアイデアが実現するために必要な要因を,先行研究を整理することで明らかにすることである。まず,アイデア生成とアイデア実現は異なる概念であることが明らかとなった。それは,アイデア生成は個人特性であるのに対し,アイデアの実現は集団において達成されるものであるためである。また,実証研究においてはその弁別に関する検討が不足していることも提示する。次に,アイデア生成とアイデア実現の規定因を確認した。アイデア生成には環境要因(創造性を支援する心理的風土)個人要因(知識交換による知見の蓄積)との両者が必要であり,他方アイデア実現には政治要因(政治行動とトランザクティブメモリー)が必要であることが明らかとなった。最後に,アイデア生成とアイデア実現が異なる概念であるからこそ,それぞれの規定因も異なるという結論を得,今後の実証研究の必要性と分析枠組みを示唆した。
著者キーワード
個人イノベーション
創造性
アイデア実現
イノベーションの政治要因
権利情報
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