「ホスピタリティ」は近年ビジネス用語として頻繁に取り上げられ,それをめぐった議論も盛んに展開されている一方,その概念に対する統一した見解がなく,曖昧に使われることが多い。その曖昧さは何を意味するか,また,その原因は何であるか。本稿は「ホスピタリティ」という用語の使用実態を分析した上で,その概念の受容及び変容の経緯を解明した。そして,「ホスピタリティ」の語源や文化の起源を探り,「ホスピタリティ」概念が日本における適応的な変容及び発展を記述した。最後に,「ホスピタリティ」の現代社会における意味と役割を多面的に考察することによって,日本語に借用されたきっかけや日本社会に広がりつつある理由を明らかし,さらに日本語化する可能性を検証した。