中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 59 巻
2019-03-31 発行

化学平衡を動的に捉える探究活動 : 対話分析で思考の過程を可視化する

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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_59_174.pdf
Abstract
化学基礎「酸と塩基の反応」の単元において,化学平衡を動的に捉える探究活動をとり入れた授業の開発と実践を行った。具体的には,弱酸を強塩基で中和滴定する生徒実験を通して,弱酸の電離平衡や塩の加水分解平衡について,粒子モデルを用いて説明する探究活動を行った。探究活動中の生徒の対話記録を分析したところ,生徒が化学平衡の考え方を獲得するまでの思考の過程を可視化することができた。今後,同様の授業展開のもとでこの思考過程の再現性が確認できれば,生徒がどのようにして化学平衡を動的に捉え理解しようとしているか,その思考過程の一般モデルを提案できることが示唆された。