児童生徒の健康課題が多様化・深刻化している今日,様々な場面で学校保健活動に関する知識や対応が求められているにもかかわらず,教員の学校保健活動に関する知識不足が指摘されている。また,教育実習中の学生においても学校保健活動に関する知識不足から児童生徒に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで,筆者らは教育実習中の学生を対象に「学校における事故発生時の対応」をテーマとした学校保健に関する講話を行い,実習前に学校保健に関する講義を受講していた実習生と受講していなかった実習生との意識の差を,実習生の感想文を用いテキストマイニングで分析した。その結果,受講している実習生は講話内容の学校保健活動に対して教員として何をすべきかを主体的に考えていたのに対し,受講していない実習生は自らが講話の学校保健活動に携わることがあることに気づき動揺しており,教育の役割認識に留まっていることが明らかとなった。本研究により,教員養成課程において学校保健に関する講義を履修することの重要性が示唆された。