高等学校化学基礎「酸と塩基の反応」の単元において,化学平衡の概念を導入した授業をデザインすることを試みた。具体的には,酢酸水溶液を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定したとき,中和点の酢酸ナトリウム水溶液がなぜ塩基性を示すのか,生徒実験の結果を考慮しながら,生徒が既習の知識を活用して科学的に説明する探究活動とその評価方法を開発し,実践した。その結果,探究活動における生徒の思考過程の流れを追跡する方法を考案し,生徒が水溶液中に共存する様々な化学平衡をどのように捉え,理解し,表現するのか,より臨場感のある詳細な分析が必要であることが示唆された。