中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 58 巻
2018-03-31 発行

教材発掘 壬生忠見殺人事件 : テキストは嘘をつく <第2部 教科研究>

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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_58_156.pdf
Abstract
国語科、とくに古典学習におけるアクティブ・ラーニングとは、パフォーマンス・ラーニングではない。話し合いや発表会という「活動」を伴っていなくても、生徒たちが向き合うテキストを、ただの対象物(しかも時代の離れた、縁遠い興味しかもてないもの)としてではなく、意図を持って私たちに「嘘」を語りかけてくるものとして捉え直すことで、テキストとの関係に主体性と能動性をもたらすことが重要である。特に中学生段階では、高等学校での本格的な古典学習を迎える準備として、そのような構えを育てておきたい。以下に、テキストの「嘘」を素材としての単元構成・教材編成と、その実践・改善例とを提案する。