若者の政治離れや,選挙における投票率の低さが問題視されて久しい。2016年6月からは公職選挙法の一部が改正され,公職の選挙において選挙権を有する者の年齢が満18歳以上に引き下げられた。翌7月には参議院議員通常選挙が実施され,国政選挙に多くの若者の1票が投じられたことが大きなニュースとなった。本稿では,以上のような状況の中で,政治に関心をもつことができたり,社会の間題に対して他人事としてではなく,当事者意識をもって向き合ったりすることのできる生徒の育成を目指した中学校社会科公民的分野「地方自治」の授業実践の報告を行い,成果と課題についてまとめる。