2002年には中学校,2003年には高等学校が新教育課程に移行し,新学習指導要領に基づく教育が展開されることになる。教育内容の厳選,道徳教育の充実,国際化・情報化・環境問題,少子高齢化社会への対応,各学校の創意ある教育の推進が掲げられるなか,「総合的な学習の時間」の新設,完全週5日制度が始まろうとしている。しかし,このような時代だからこそ大切になるであろう情操教育としての音楽の授業は時数が削減されている。本論文では,このような状況にある音楽科教育のあり方について,学習指導要領の内容を明確にとらえ,音楽科の教育内容を見つめ直し,生徒の実態に合ったバランスのよいカリキュラムを開発していくための一考察を行いたいと考える。