新学習指導要領が告示され,保健体育科の目標に「心と体を一体としてとらえ」という表現が加えられた。その背景には,今日の子どものこころとからだに生じている発達的・人格的課題に対して積極的に取り組み,子どもたちがこころとからだを解放できるような運動学習の保障が求められていることがある。そのようなことはこれまでのダンス学習で,すでに意識的に取り組んできたことであるが,これまで以上に,誰もが運動することの心地よさや楽しさを味わい,友だちや自分自身の'こころやからだの声を聴ぐ'ことで自分自身を認識し,自己表現の質を深めていきたいと考え授業を実施した。毎時間のダンス学習カードに書かれた感想や学習者自身による到達度評価,授業前後のダンスに対するアンケート調査の比較,授業終了後の自己評価及び感想から,自分自身のからだと対話し,友だちともからだでコミュニケーションしながら,みんなと作品を創作し発表する達成感・満足感を味わえたことがうかがえた。